人にセックスを見せるな

土曜日。出かける用事があって夜やっと帰り。乗り込んだ電車。座れない、まーいーや、立ってよう。

 

んでね、ちょっと目を向けたらね、女の子が座ってて、その目の前に男の子が立ってる。まあ、彼氏彼女なんでしょうね。土曜の夜、ちょっとほろ酔い、いいね。幸せね。

なんだけど、彼女の方がね、彼氏の手をこう、もみもみもみもみしてますよ。それはマッサージの類ではなくて、なんつーの。うまく言えないけどその、もみもみしてますよ。もみもみもみもみ。上目遣いで、彼の目を一心に見つめて。

 

いや、いいよ。何も公序良俗に反してはいない。いいのよ。いいんだけど、もうそれはセックスの始まりではあるまいかと。私思ってしまいまして。セックスを山頂とした場合、君たちは今2合目くらいにいるんじゃないか、と。

だとしたらこの列車は、一体なんなんだと。決して結末を見ることのできない物語の、序章を知ってしまう悲しさよ。悲しきオリエント急行ですよ。あ、ごめん。今うまいこと言った風だけどそんなことねーわ。オリエント急行のことは、忘れて。ごめん。

 

ともかく!お前ら我慢して、お家帰ってから色々しなさいよ!って、思ってたんだけど、途中で「じゃ、バイバイ」って彼氏だけ降りてっちゃって。いや、せーへんのかーい!てなりました。