せせせ先生

つきなみですが、あけましておめでとうございます。

 

正月は実家で過ごすのだけど、中学の友達から連絡があって、「お互い子供もいるし、飲みに行くのは難しいから、ちょっとコーヒーでも飲みに行かないか?」と。ぜひよろしくお願いします、と。当時の部活の先生も来てくれるってことで、楽しみにしていた。のだけど、結果的には、結構引いた。

 

この先生、当時(27歳)から教員採用試験には合格しておらず、講師という立場で試験にチャレンジしてる先生で、超久しぶりに会ったら「こないだも教員採用試験落ちたんや」って。もう47歳。なにやってんの先生。

「いや、一次試験は通ったんや。でも実技がアカン。俺もう47や、走り幅跳びなんて4メートルも飛べんで」って。えー、体育の先生が、実技でダメってもう末期じゃないすか。

 

当時の生徒である我々が、勇気を持ってもう教師は諦めたほうがいいんじゃないか、という話をしたら、「おう、それも考えて、一時期レンコン農家になりかけた」って。なにそれ、一回夢破れ済みかよ。

「ただ、見習いみたいな感じで農家に行ったんやけど、全然掘らせてくれんのな、あれ。めちゃめちゃムズいんやって、掘るの。んで俺レンコン集める係やったんやけど、つまらんからやめたわ」って。うん、レンコン農家にとっても、それがよかったんじゃなかろうか。

 

最後の方は「出家、という手も考えとる」とか言い出して、おもむろに握りこぶしを俺の前に突き出し、「マレスケ、これは何や」というので、え・・・?と思っていたら「あーもうアカン。考えてしまっとる。考えたらあかんのやて」て言い出して、俺ら生徒、いよいよやべーって感じで目があった。

 

最終的に先生、「おふくろが俺に土下座して泣くんや、『寺に入ることまで考えさせてしまって、そんな育て方しかできなかった母を許してくれ』って。」とか言い出して、ごめん先生、俺たちもう、帰りたい。