俺のスノースマイル

冬になってきて、娘が「手が冷たい」というので、よしじゃあ手貸してみ、ってことで私のポッケに突っ込んだ。「あったかいねぇ」と。これは、もうモロにバンプスノースマイルではあるまいか。

でもあれって、最後お別れしちゃう悲しい歌なんだよなーって思ったんだけど、まあいつかは娘も家を出て行っちゃうからなあ、ってしんみりしてしまいまして。

 

まだ4歳の娘が、反抗期も思春期も迎えていない娘が、いつか出て行ってしまうことに落ち込む36歳。誰かが言った。未来に抱えた不安を想像して落ち込むことほど無駄なことはないと。でもさあ、そういうことじゃないんすよ。

何年かかけて、ちゃんと子離れする準備をしておかないといけない。父親ってのは、結構辛い役回りですね。うまくできるやろか、おれ。

 

♪僕の右ポケットに しまってた思い出は やっぱりしまって歩くよ 君のいない道を

 

よくできた歌だなあ、ほんとに。

胃カメラを中断する屈辱

えづくのがすごい苦手なんですよ。これはもう、幼少期の頃からずっとなので、俺の個性だし、上手に付き合っていくしかない。

そんな私にとって恐怖でしかないのが胃カメラ。小さい頃母親からその存在を聞かされ、そんな拷問みたいな治療があるのかよ・・クレイジーだぜ、医療!と震えて過ごしました。震えてるうちに20年ほどの月日が経ち、バリウムをごくごく飲む歳になりました。

 

でね、先輩に聞いたら、病院によっては鎮静剤で眠ってる間に済ませてくれるところもあるんだって、胃カメラ。っていうかむしろ、周りの先輩方みんなそうしてた。なんだよ!そういう話は早めに教えてよ!

病院に確認したら鎮静剤やってますってさ。よっしゃー!医学の進歩が俺の悩みを解決した!今年のバリウム胃カメラに変更したよ。サイコーだぜ、医療!

 

で、当日。胃カメラ室に案内されても余裕の表情。だって、眠ってる間に、終わるからね!って思ったら処置室から「オゲェえええええ!ごはっ!」「ハーーーイ口開けて!」「オゴゴゴ、ゴハァ!」って。ごめん待って待って待って。

オロオロしてたら「マレスケさーん、こっちの部屋どーぞー」って。すいません看護婦さん、隣の部屋の人大丈夫なんですか?って聞いたら「鎮痛剤やってて眠っちゃってるから、大声で話しかけないとわかんないのよ」って。ええ?オゴゴゴって言ってますよ?「・・・。」

 

もうだめだ。ここに来て不安爆発。「大丈夫よ、今から点滴ね。ハイこの薬飲んで、喉麻酔するわよ」って着々と準備が整っても全然眠くない。意識が飛ぶ気配がない。え、まだ意識バリバリあるんですけど!「大丈夫、まだ鎮静剤入れてないから、そこ寝て寝て、今から鎮静剤入れまーす」

全然意識飛ばない。普通に先生と会話出来ちゃってる。「じゃあ、行きますね」いやいやいやいやちょっと待ってちょっと待って、聞いてた話と違くて!いやまじでまじでまじで、無理無理無理無理!!

 

結果、意識が落ちきらず、ただ朦朧とする中で拒否を続けたため、ダメだこいつってなって今日の胃カメラ見送りね、てなった。先生も「まあ、そういうこともあるから」って呆れてる。なにこの敗北感!マジで悔しい!いや、もうちょっと準備してればね、こうなることがわかってれば、俺だって、胃カメラくらい!!

着替えて診察室に戻って最後の問診。「で、どうします?今日は無理ですけど日を改めて胃カメラ飲みます?」いや、ちょ、次回はバリウムで。ただし次次回は!次次回こそは!!

そんな生まれ変わり方あるか

わたくし、実家で犬を飼っていましてね。この犬がもう、それはそれはヤキモチ焼きでね、他の家の犬を撫でたりしたらめちゃめちゃ怒るんですね。犬にも嫉妬心てあんのね。いや、可愛いやつだったんです。亡くなってしまったのだけど。

 

一方で私の長女。朝起きて、次女を抱っこしようとすると「ちょっと!」て怒る。保育園で他の子を褒めても怒る。

こないだなんか、公園行って、全然知らない子が上手に滑り台を滑ってたので、おお〜!って言ったら泣きながら駆け寄ってきてめちゃくちゃ怒ってましたからね。え、なんで怒ってんの?って聞いたら「他の子をほめたでしょ、今」って。

 

あれ?この感じは、あの犬じゃないか?て思ってこないだ娘に聞いてみたんですね。あのさあ、生まれ変わる前、犬だったんじゃない?んでパパと一緒に暮らしてなかった?って聞いたら「うん」と。

そんなバカなと思いつつ、犬の時さあ、何が好きだった?って聞いたら「パンかな」って。おいおい、うちの犬、信じられないくらい食パンが好きだった。1斤100円くらいのやっすいパンを焼かずに食べてたよ(焼くと固くなるからがっかりしてた)。

 

あーまじでこの子あの犬が生まれ変わったのかな、と思ってよく来たねえ、と言ったら「ブフッ!」って犬みたいな声出してた。

長女、君が犬から生まれ変わろうと、そうでなかろうと、パパは君が大好きだから安心してほしい。でも、せっかく人間になったんだから、そこまでヤキモチ焼かなくてもいいんじゃなかろうか。公園の帰り道、パン買って帰る?って聞いたら「ブフッ!」だってさ。